大人のためのクリスマス絵本。 書店員絶対おすすめの8冊!

大人のためのクリスマス絵本

 

友だちや、恋人、家族へのプレゼントに、絵本はいかがでしょうか。

絵本は楽しく、おもしろく、暖かく、やさしい。そして、悲しく、怖いことも。

同じ絵本でも、年齢、環境などによって、感じ方は全く違うものになります。

子どもの頃読んでいた大好きな絵本を、大人になって久しぶりに読み返すと、あのときとはまた違った気持ちになった、という経験をされた方も多いのではないでしょうか。

ここでは、大人になってこそ、より響く絵本を紹介します。

①「ギフト版 12月24日 クリスマス・イブの日に」

作・絵:黒井健 白泉社 ¥1,100+税

大仕事を控えたサンタクロースの、朝から晩までが、ただ、たんたんと描かれています。
部屋の中の暖かさ、お鍋のコトコトという音、ベーコンの焼ける香ばしい香りが、黒井健さんの淡く優しい絵から伝わってきます。
神聖なクリスマスの緊張感や、街の華やかさとは一線を画し、気持ちが穏やかになる1冊。

 

②「賢者のおくりもの」

作:オー・ヘンリー 絵:リスベート・ツヴェルガー 冨山房 ¥1,500+税

「最後の一葉」などで有名な、オー・ヘンリーの短編です。
貧しい生活の中で、お互いを思うが故に、すれ違ってしまった若き夫婦の物語。それぞれが自分を犠牲にして、精一杯の気持ちで選んだプレゼントが、役に立たないと気づいたときのそれぞれの気持ち。そして、役に立たなかったプレゼントにより、お互いの思いを知るのです。
このお話の、本や絵本は何冊も出ていますが、今回ご紹介した絵本は、ツヴェルガーの落ち着いた色彩の絵が、二人の複雑な気持ちの動きによく合い、じんわりと胸にしみてきます。
言い回しが独特で、高学年くらいから読むことができると思いますが、大人だから、いろいろ経験してきたからこそ、響くのかもしれません。

 

③「クリスマスの足音」

作:もうひとつの研究所 青幻舎 ¥1,200+税

“もうひとつの研究所” が製作するパラパラブックスの第7弾。
手のひらに収まるほどの小さな絵本を、親指でパラパラとはじいていくと、そこにはわずか数秒のアニメーションが描き出されます。
もみの木の間を疾走してゆくと、徐々に近づいてくる鈴の音。ほんの短い間に、ページの隙間から幻想的な空気が溢れ、魔法のような出来事が起こります。
本の大きさから、少し高価に感じるかもしれませんが、プレゼントに最適です。
ふと思い出して、何度も見たくなる、しかけ絵本。

 

④「あんたがサンタ?」

作:佐々木マキ 絵本館 ¥1,200+税

これが、サンタ?という内容が息をつく間もなく続々と出てきて、サンタさんに思い描いていた、夢や希望がどこかへいってしまいます。その代わり、そこにはとてもざんねんなサンタが…。
サンタクロースが人間なのかどうか、定かではありませんが、このサンタの人間臭いこと。こんな人、いるいるって思ってしまうのも正直なところです。
大人にはアリ、かもしれないサンタクロース像を楽しんで欲しい。

 

⑤「くるみわり人形」

原作:E.ATホフマン 絵:いせひでこ 抄訳:中井貴恵 ブロンズ新社 ¥1,500+税

バレエの演目としても有名な、くるみわり人形のお話。有名ではありますが、ちゃんと読んだことがないという方も多いのではないでしょうか。
バレエの脚本も、物語としての本や絵本も、様々な脚色がなされてきました。今回ご紹介する絵本は、原作が読みやすく翻訳されたもの。いせひでこさんの描く少女マリーがかわいらしく、情景が鮮やかで美しく、夢と現実が入り交じる幻想的な世界が目の前に広がります。
明るく華やかなクリスマスの日から始まり、くるみ割り人形の背景にある逆恨みや呪いなどの重い場面、そして、やはり魅力的なお菓子の国。
「くるみわり人形」の世界へ誘う贈り物は、いかがでしょうか。

 

⑥「ゆうぐれ」

作:ユリ・シュルヴィッツ あすなろ書房 ¥1,500+税

タイトルからは、クリスマスの絵本だと気づくことができません。ページを開いてからも、クリスマスは感じられません。
夕暮れ時、男の子とおじいさんと犬が、ただ町を歩いて行きます。日が沈み、徐々に暗くなり、それと共に、一つ、また一つと町に明かりが灯り始めます。賑やかな町は、クリスマスの装い。
ことばは少なく、時間の経過と空や空気の変化が美しい絵本。懐かしいような、さみしいような、暖かいような、不思議な気持ちが沸いてきます。
ページを開いてみてください。夕暮れのほんの短い時間に、何を感じるでしょうか。手元に置いて、ふとした時に開きたくなる絵本です。

 

⑦「クリスマスのまえのよる」

詩:クレメント・C・ムーア 絵:ロジャー・デュボアザン 訳:こみやゆう 主婦の友社 ¥1,200+税

200年近く前に生まれた詩が、今なお語り継がれています。クレメント・C・ムーアが娘のために書いた詩。今、私たちがイメージするサンタクロース像の元になっていると言われています。
夜中にやってきたサンタクロースを、見てしまうお父さん。そして、そんなお父さんにサンタクロースは、目配せをします。そんなこととは知らずに眠る子どもたち。お父さんだけが、本物のサンタクロースに会ったのです。
この詩に絵がついた絵本はたくさんあります。絵と訳がそれぞれ違いますが、そのどれもが素敵な絵本です。ここでご紹介した絵本は、その形も特徴的で、縦に長い形をしています。出版社によれば、50年以上前のアメリカで、プレゼントを入れる靴下に入るようデザインされたとのこと。
クリスマスプレゼントのためにあるような、絵本。誰かに贈りたくなる絵本です。

 

⑧「森のプレゼント」

文:ローラ・インガルス・ワイルダー 絵・訳:安野光雅 朝日出版社 ¥1,300+税

日本では1975年~1982年に放送されていたテレビドラマ「大草原の小さな家」の原作の第1巻、「大きな森の小さな家」の中のクリスマスのエピソード部分のみが絵本化されたもの。
豊かではない暮らしでも、ローラやその家族にとっては当たり前の日々。喜びや幸せを感じながら過ごす毎日が生き生きと描かれています。このクリスマスのエピソードは、親戚の子どもたちが集まり、美味しい物を食べ、楽しく遊び、素敵なプレゼントをもらいます。素朴なそれらが、とても魅力的に感じられ、何度も読み返したくなる絵本。
元が読み物なので、絵本とはいえ読み応えがあり、文章が長いにもかかわらず、安野光雅さんの絵がふんだんに盛り込まれているあたりの宝物感は、贈り物にもぴったりです。
原作を読んでいた人や、ドラマを見ていた世代には、きっと懐かしさがこみ上げる、特におすすめの1冊です。

 

ここまで、8冊の絵本を紹介してきました。
ユーモアの絵本、しかけ絵本、詩の絵本、物語の絵本など、様々な種類の絵本を選びましたが、どれも、クリスマスプレゼントとして贈りたい、贈られたい絵本ばかりです。
11月ごろになると、書店にはクリスマスの絵本が並び始めるでしょう。まずは、ご自身で手にとって、ページをめくってみてください。贈りたい相手を思い浮かべながら、じっくり時間をかけて選ぶことができれば素敵です。
どこから手をつければよいかわからない。今回のセレクトが、そんな時の参考になれば嬉しく思います。







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