造り酒屋の軒先のあれ、なんて名前なの? その役割は?

杉玉

 

都心ではあまり見かけないかもしれませんが、酒屋さんの軒先に丸い大きな玉がぶら下がっているのを映像なんかで見たことのある方は多いのではないでしょうか。

地方だとまだまだ健在で、酒屋さんの軒先にぶらーんとしています。

日本酒を扱う居酒屋でもたまにぶらさがっていますね。

そう、その「あれ」としか言いようのない玉、正式名称はなんというのでしょうか?

その存在の理由から値段まで大公開してしまいます!

呼び方は?

あの丸い「あれ」、よく見ると木や葉っぱでできているのがわかります。

「あれ」の名前は「杉玉(すぎたま、すぎだま)」あるいは「酒林(さかばやし)」

その名の通り、杉の葉の穂先を丸めてボール状にしたものが「あれ」の正体です。

杉玉の起源は奈良県桜井市の酒神「大神神社」の御神体である三輪山の杉の木にあやかったものとされています。

御神体の杉の木を神木としていたことから、主祭神である大物主神(オオモノヌシノカミ)の霊力が宿るその杉の葉を束ねて酒屋の軒先に吊るしたのが始まりです。

「酒箒(さけぼうき)」、「酒旗(さかばた)」などの呼び名もあり、江戸時代中期から「酒林」という呼び方が一般的に。

そしてあの丸い形が一般的になったのは江戸時代後期からのことです。

それまでは杉の葉を束ねたものを軒先にぶら下げていました。

直径は約80cm〜40cmぐらいまでが普通のようです。

 

なんのためにあるの?

日本酒の造り酒屋などの軒先に杉玉をぶら下げると、「新酒ができました」の合図となっています。

吊るされたばかりではまだ緑色なのですが、それがお酒の熟成具合とともに徐々に茶色くなっていき、お客さんの目ですぐに「どのくらい今年の新酒が熟成されたか」がわかるようになっています。

また、緑が薄くなると夏のお酒が、茶色に変わるとひやおろしが美味しい季節だと知らしめる役割もあります。

酒屋の看板のようになっていますが、元々は神様に感謝を捧げるものだったとか。

杉の葉は酒の腐敗を治すからあやかって吊るす、という説もあります。

 

どこで作ってるの?

まず、外せないのが前述の奈良県にある「大神神社」で作成されているということ。

お酒と深いかかわりのあるこの神社では、大和朝廷の神事のお神酒を造る重要な役割を担っていました。

それが現代にも続いています。

でも神社だけで全てを賄っているわけではありません。

他にも全国の「杉玉作り専門」の会社が作成しています。

杉玉を作っている場所は全国にあるのですが、岐阜県の「~TAKABAYASHI~高林」という会社が有名です。

ここでは大きい者では80cmの直径のものから、小さいものではインテリア用に25cmの直径のものまであります。

 

個人でも買えるの?値段っていくらぐらい?

個人で買えるかどうかとなると、前述の「~TAKABAYASHI~高林」さんでは一番小さな25cmのものが重さ3kgで値段は18,360円となっています。

通信販売では「e和雑貨」さんで30cm〜60cmを扱っていて、値段は33,480円〜92,340円となっています。

ちょっと高い…でも大丈夫です!

杉と針金さえあれば自分でも作ることが可能です!

杉玉の作り方

  1. まず針金で基本となる輪っかを作ります。この輪っかの直径の3〜4倍の大きさになると思って作ってください。
  2. 吊り下げる部分があるように、輪っかをずらしてはめてバスケットボールの模様のように組み合わせていきます。
  3. 吊るす場所に鎖をつけておきます。
  4. 切り口を尖った状態にした杉の枝を、下になる方から差し込んでいきます。隙間ができないようにしましょう。
  5. 4分の1刺し終わったら葉先を揃えます。
  6. 下の部分が終わったら二段目を、二段目が終わったら三段目を、それが終わったら上部と丁寧に差し込んでいきます。
    4分の一ずつ葉先を揃えるのを忘れずに。
  7. 刺し終わった杉玉を丸く選定して出来上がりです。 最近では杉玉をちょっとしたDIYとして作る人も少なくないのだとか。

なんだか日本古来の風習に親しむようで嬉しいですね。

 

美味しい日本酒の季節を知らせてくれる杉玉

杉玉は新酒ができたお知らせのものですから、毎年付け替えられます。

2〜3月ごろに緑の杉玉が酒屋さんの軒先で見られるようになります。

そしたら「しぼりたて」の新酒を楽しめるチャンス。

色の褪せ具合とともに、夏は冷やの純米酒、秋から冬にかけてはひやおろしなんてのをぐっと粋に飲みたいですね。

最近では日本酒は若い世代を中心に見直され、昨年は「日本酒と和梨で漬ける和製サングリア」なんてものが流行りました。

その作り方は、果実酒などの容器(小さなサラダジャーみたいなものでも可)に切った和梨を入れ、日本酒で一週間ほど漬け込むというもの。

梨のフルーティーでジューシーな甘さが日本酒に移り、お手軽なのにとっても美味しいですよ。

これは「日本酒サングリア」として、果物を変えて色々と楽しんでいる方も多いんです!

普通の日本酒はちょっと苦手、という方でも美味しく飲めますので、ぜひ新酒の季節にチャレンジしてみてください。







杉玉